プラン検討 プラン検討
解体

 トラブル発生
解体業者のことを契約のセッションの「第四週目 (めまぐるしい六週間)」のところに書いた。
ハイムが提示した解体費用が260万円。トヨタが220万円。
そして電話帳を見て電話したC社は160万円だった。
ハイムとちょっきり100万円違うので、何のためらいも無くC社にお願いした。
C社は怪しげな会社ではない。この地方では、解体工事中のC社の看板を見かける。
大きなビルを壊している場合も多い。
さて、解体は2005年7月4日に始まった。結構手際が良い。
育った家が壊されていくを見るのは辛いことかもしれないが、私は解体の現場には ほとんど行かなかった。仕事が忙しくて行く暇がなかった。 3〜4日で家の形はほとんど無くなった。その後、雨の日が多くなったので、作業が中断したが、 全部片付くまでに10日も掛からなかった。
更地になった土地には、本当に何もない。ゴミもほとんど落ちていない。
ただ、タタキに打ってあったコンクリート部分を撤去したので、予想以上に土地が下がってしまった。
母が、これだけ土地が下がっては家を建てられないと心配していた。
私は、土地の高さの調整はハイムの仕事だと思っていたので「土はハイムが入れるよ」と母に言った。 しかし、そうではなかった。お金が掛かった。
さて、更地になった場所で、友人の庭師と外構に関して打ち合わせをしていた時のことだ。
「Davidさん。お話したいことが…」と南の家の奥様が話しかけて来た。名前はHさん。
「はい。何でしょう」と笑顔で応じたが、心の中では「解体の時の騒音がうるさかったクレームかな」と思った。
「こちらに来て、このフェンスを見てほしいんですけど」とHさん。 見てみると、わが家との境にあるフェンスがへこんでいる。
「このへこみは…?」と私。
「解体作業の前に、確認した時には問題なかったんです。解体が終わったら、こうなってしまって…」とHさん。
「はい。分かりました修理します」と即答した。
答えた後で考えた。修理って幾ら掛かるんだろう? 自分で業者を探して頼むんだろうか? それともあの解体業者が修理してくれるのだろうか?
奥様が家の中に戻った後で、他に問題がないか庭師と目を皿にして確認した。嫌な予感がした。 そして、二人が同時に壁の一点にに目を留めた。
「あれって…」と私。
「多分…そうだな」と庭師。二人とも妙にヒソヒソ声。
外壁に傷が付いていた。壁が削れたような感じ。足元を見るとわが家の部材が細かく飛び散っていた。 状況から判断するに、解体業者が養生を十分に行わず作業を行って、家の破片が飛び散ったようだ。
隣の奥様は、フェンスに気を取られて、壁には気付いていないらしい。 でも壁の傷の方が深刻だった。 後で話がこじれても嫌なので、壁の傷はこちらから正直に話をした。
Hさんから問題を指摘された時の私の心情を理解していただけるだろうか?
私は南に建った家によって、傷付けられた被害者だという意識を持っていた。 日が当たらない云々の不満は、南の二軒の家の方と話した事がない。彼らに不満を言っても仕方がない。
「私は被害者なんだ」とは言わない。 しかし、心では自分は被害者なんだと感じていた。
ところが、その相手から突然に「うちが被害を被ったのです」と言われたのだ。
「えっ? 私が加害者なの?」という戸惑いを軽いめまいのように感じた。
それは、不条理に目覚めた実存主義者のようなもの…更に意味不明か。

 解体業者:C社
C社に電話をする前に、見積書を確認した。確か養生に関して明細が書いてあったはず。
見積を見て驚いた。ハイムやトヨタよりもC社の養生面積の方が広かった。 184ヘーホーメートルと書いてある。費用にして184,000円。
「トラブルが起きた」とC社の営業に連絡した。
「すぐ行きます。Hさんのフェンスも壁もC社で修理します」との返事。
C社の営業から、お隣のHさんに修理を約束してもらった。一安心。 二週間ほどして、お隣の奥様を見かけたので話かけた。解体業者からは、その後、何の連絡もないとの不満。
「すみません」と謝る私。何だか釈然としない。居心地が悪い。
C社の営業に連絡を入れて、至急対応するように言った。
「今回の一件は、見積内容にあった養生の作業をを現場が勝手に変更したのが原因です」と営業。
「何でそんなことしたんだ」と私。久しぶりに怒っている。
「すみません」を繰り返す営業。
フェンスは交換。壁はその部分だけ塗装するとのこと。その後も対応が遅く、完了したのは二週間くらい後。
修理後、奥様に確認すると「私は仕方ないと思っている。第一Davidさんは悪くないのよ。悪いのはC社よ」と言って下さる。
「でも、そのC社を選んだのは私たちですから…」
更に奥様の話「でも夫が不満みたい。 壁は修理じゃなて取り替えて欲しいと言っているのよ」とのこと。
確かに始めの状態に戻して欲しいという気持ちは良く分かる。
不条理を感じながらC社に電話して、お隣の意向を伝えた。
C社はこんな返事。「外壁を一枚変えると、全体への影響が出てきます。 もし雨漏りなどが発生したとしても、当社では保障できません」
「じゃあ、お隣さんに連絡してその件を納得してもらって」とお願いする。
「分かりました」と営業マン。
妻が奥様に聞いた範囲では、ご主人は不満を感じているそうだが、壁のことを考えると腹が立つので、考えないように しているとのこと。何だか不安だ。C社を選んだのはやはり失敗だったのか。
ある日、犬に散歩させている隣のご主人を見かける。実は初対面。
Hさんに壁のことを深く詫びると「もういいです」という返事。でも不満は残っている雰囲気だった。 ただ、隣のご主人とお互いの目を見て話ができたことで、少し安心した。



C社からの見積書のFAX。「隣家養生費」がしっかりと記載されている。

 土入れの費用
解体によって低くなってしまった更地だが、ハイムが土を入れてくれると思っていた。 しかしハイムからの返事は「その作業をハイムがするのであれば、費用が掛かります」とのこと。 確かに四者立会での役割分担では、更地にするのは施主の分担になっていた。ハイムが土を入れる作業の見積金額は16万円だった。
100万円得したと思ったのに、16万円分減ってしまった。トラブルと合わせれば、気分的にはプラス・マイナスはゼロ。
西山さんが言うには「ハイムではお隣様とのトラブルも、施主様にご迷惑を掛けることはしません。 ハイム側で全て交渉します。 また撤去によって土砂が減れば、こちらの責任で補充します」とのこと。 確かに以前、そんなことを言っていたのを思い出す。
それにハイムであれば、養生をせずに解体をする訳がないと思う。 残念ながら西山さんの忠告が的中したわけだ。
実は工事の所で書くが、ハイムもお隣のフェンスに傷を付けてしまった。 その場合も私が間に入ることはなくて、ハイムの方で全て対応してくれた。
こうなってしまうと、100万円の違いもメリットとデメリットがあることが分かる。
このトラブル以降、頼み事は多少金額が高くてもハイムに依頼するという安心感を取るようになった。

 C社への支払い
C社から請求書が来ていたが、しばらく放置しておいた。
すると二ヶ月ほどして、営業から電話が来た。
「David様、お支払いがまだのようですが…」とC社。
「見積書には、養生費として\184,000円と載っている。それをしなかったのだから、そのままでは支払えない」と私。
長い電話になったが、160万円プラス消費税で168万円の支払いだったのを合計150万円にしてもらった。16万円の土入れの費用 を挽回したことになる。しかし少しも嬉しくない。
このトラブルの一件に関しては、記憶から消し去りたい気分。


 hints
近隣との付き合いは普段から大切にしよう。
建て替えであれば、検討段階から関係を良好にするようにしたい。 契約してから、突然態度を変えては不自然で反発を買うかもしれない。


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落ち込むなぁ