プラン検討 プラン検討
動線・勝手口

 動線
動線(どうせん)という言葉は、このHPを読んでいる方ならおそらくご存知だと思う。
人が建物の中を移動する軌跡のこと。
良い間取りなら動線が短くなり無駄な動きがない、使いやすい住まいになる。
しかし私たちは、理想的な動線を追求するようなプラン作りまでは踏み込めなかった。
知識が不足していた。
それでも妻は、Kさん(白い外壁の輸入住宅)から借りた住宅雑誌で、動線に関して頑張って読んでいた。
それで「子供部屋へはリビングを通って入るようにしたい」とか 「洗濯機と物干しを、もっと近くする方法はないかしら」とあれこれ考えていた。
しかし、ほとんどの間取りは、私たちの生活パターンを西山さんや稲垣さんに伝えて、 考えてもらったものだ。
ただKさんの「動線は回遊にした方がいいのよ」との助言に従って、二階はぐるっと一周回ることができるようにした。
一方、一階は階段下から、各部屋に放射線状に伸びる動線になった。

 更衣室に勝手口
母は畑仕事が趣味。
以前から季節ごとの新鮮な野菜を作っている。どの野菜も初めは美味しいのだが、大量に作りすぎて 毎日同じものが食卓に並ぶと家族全員がウンザリしてくる。
そんな時には、知り合いに差しあげている。誰もが「農薬を使っていない手作りの野菜は素敵」と喜んでくれるし、 こちらも一気に野菜が減って嬉しい。
私自身は美味しいスイカができたときは、とても嬉しい。でも、イマイチなスイカが大量に出来る夏もある。
こんな母の趣味は、以前の家では特に問題視されることはなかった。
しかし、家の建て替えが現実化してきた頃から、無視できない検討事項になった。
というのは、大量の土を家に持ち込んで来るのだ。泥だらけの足で新築の家に入り、泥だらけの手でドアノブを 触ることを想像するのは怖い。
西山さんと策を検討した。結局、お風呂の更衣室に勝手口を設ける案に落ち着いた。 勝手口から更衣室に入ってもらい、手足を洗い、着替えをしてから 他の部屋に入るようなルートを考えた。また、勝手口のすぐ外には立水栓をつけることにした。
母は玄関からでなく、勝手口からの出入りが多くなると思う。
一方、正面玄関から母の部屋に行こうとすると、遠回りになる。動線が悪いので、ショートカットできるような アイディアを、西山さんを交えて検討していた時のこと。
「遠回りで構わないよ」と母が言う。
「でも、遠くて不便だよ」と私たち。
「だって、遠い方がありがたみがある」と母。
「・・・・」
母には動線も関係ないようだ。

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勝手にしていいわよ