入居後 入居後
ドマーニの収納力

水とコップ

 荷物の量
新居への引越しで荷物の量が多くて、慌ててしまったことを少し前に書いた。
引越し後、しばらくは憂鬱だった。目の前に溢れ返るほどの荷物があったからだ。 水とコップの関係は、実際に入れてみないと分からない。溢れるかもしれないし、余裕があるのかもしれない。 荷物の全体量を計り、その為の収納スペースを事前に正確に計算することは非常に難しい。
入居後に、使いそうもない家具をまず処分した。自分達で苦労して倉庫まで運び、 また引越屋さんに運び戻してもらった家具だ。わざわざ往復したのに、そのまま処分場行きとなった。 解体の時に捨てておけばよかったのだ。ただ、人は捨てざるを得ない状況に追い込まれないと 捨てることができなのだと痛感した。
planのセッションの「収納スペース」のページで、床下収納と小屋裏に関して書いた。 それらの入居後の状況を書こう。床下には重たい物をかなり入れた。 わが家には、父が残した工具類が沢山ある。一般家庭なのに、電動カンナや電動ノコギリまである。 私は使ったことが無いが、捨てるのが残念なので床下に入れた。 床下に収納する時には、風通しが効くように荷物に隙間を空けて分散した。 また、すのこ状の部材を敷いて、荷物の面が床に直接触れないようにした。
床下は建坪と同じ面積が広がっているのだが、荷物が置いてあるのは床下収納の出入り口周辺だけだ。 遠くの方まで這って行くには、疲れる。
壁に埋め込めなかったステンドグラスなども床下に眠らせた。二度と目を覚まさないかもしれない。
小屋裏に関しても有効に使っている。内部の写真を下に2枚載せた。雰囲気を分かっていただく為に、フラッシュを 使わずに撮影した。4.5m×2.4m×1.4mの箱状の部屋。薄暗くて、静かで不思議に居心地が良い。 使わなくなったベビーベッドを使って布団収納にしたり、荷物を山積みにして収納している。 ハシゴを上って、家族全員がこの空間を有意義に使っている。
 小屋裏の様子 1  小屋裏の様子 2


 ドマーニの三角屋根
ここでドマーニの三角屋根の構造を見てみよう。読み進むと、あっと驚くかもしれない。
当たり前だが、最もシンプルな切妻屋根は2枚の面から構成される。下の図1は、わが家の屋根を上から 見下ろした様子の絵。鳥になった気分で屋根を見てほしい。 わが家の屋根は、4枚の面で構成されている。図1の下方向が南。太陽光のパネルは南側の明るい灰色の面にだけ乗って いて、水色の面には乗っていない。このために発電量も3.28kwと少ない。
しかし、この変形の切妻屋根が、建物の外観に変化をもたらしており、この外観を私は気に入っている。
さて、図1の中の赤い点線が小屋裏の位置だ。家の中心部分にしか小屋裏が無いのは、変形屋根で小屋裏の高さが確保 できないためだ。もしシンプルな2枚の切妻屋根だったら、小屋裏は両方向に伸びて約3倍の広さになり 太陽光も5kw以上乗ったことだろう。そう考えると少し残念。
私にはプラン中から気になっていたことがあった。小屋裏以外の屋根の中の構造だ。この屋根裏には入れるのだろうか とか、少しくらい物は置けるのだろうかと疑問だった。この部分のことを正確に分かるようなHPもあまり見つからなかった。
ある日現場に行くと、下の写真1の点検口が開いていた。薄暗い中で誰かが作業している。脚立が点検口付近まで延びていたので、 ためらわずに脚立に乗って穴から中を覗き込む。
「あらっ〜電気屋さん、こんな所で何してるの?」
「へへへ、電気配線です」と、いつものニヤニヤ笑顔の電気屋さん。薄暗い空間にニヤニヤ顔が怪しげ。
「へぇ、ここって、こんなふうなんだ。広いね。私も上っていいかな?」
「気をつけて下さいね。天井も足元も」
その時に映した写真が下の写真2だ。奥にぶら下っているライトは、電気屋さんが作業用に仮に吊るしたもの。
上がってみると驚くことばかり。まず、各ユニットの天井部分(屋根裏の床部分)には既に 構造用合板がきれいに張ってある。結構丈夫で、人が歩いても問題ない。据付の時に職人さんがユニットの上をスタスタと歩いていたが、 今になって、この構造用合板の上を歩いていたのだと分かる。 ユニット端の部分は、20センチくらいの幅で断熱材が露出している。 この部分には構造用合板の補強がなく、うっかり踏むと天井に穴が開くので注意。
「そこは絶対に踏まないように、気をつけて下さいね」と電気屋さん。
予想以上に天井も高く、広い空間だ。邪魔な柱も無い。すごい。すご過ぎる。私の顔が電気屋さんのようにニヤニヤしてくる。
「これは使えるぞ…」と独り言。
「えっ、何?」と聞き返す電気屋さん。
 図1 空から見た屋根の形状  写真1 屋根裏の点検口  写真2 屋根裏の様子


 収納力
レイアウトを確認しよう。下の図2をご覧いただきたい。
赤い点線がハイムが収納用に用意してくれた小屋裏部分。 壁紙も綺麗に張られ、ハシゴで上ることができ、雰囲気のある照明も点く。
今回、新たに発見したのは青色と黄色の点線部分。L字の形をしている。青色と黄色の空間は 赤の小屋裏によって分断されており、行き来はできない。それぞれの点検口から入ることになる。
ここでは赤い点線を小屋裏と呼び、青色と黄色の部分を屋根裏と呼ばせていただく。 区別し難くて申し訳ないが、わが家でも、この空間の上手な呼び方が分からなくて、いつも混乱している。 真上を指せば小屋裏で、北極星方向を指せば屋根裏ということにしている。
この部分に荷物を運び込んだ。それが写真3。
また、昔の家の使わなくなった蛍光灯を自分で付けた。 私が手を加えたのは、この蛍光灯だけで、それ以外は全て標準の状態のままだ。 無理矢理に何か工事などをしたわけではない。
床を見ると構造用合板が張ってある部分と、板がない部分がお分かりいただけると思う。
点検口の大きさは45cm×30cmなので、それより大きな物は運び込めない。 しかし、やってみると意外に大きな荷物も通る。写真には会議用の机も見える。 段ボールは、一旦折り曲げて小さくしてから、屋根裏で広げている。
この空間の発見によって、わが家の収納スペースの問題は一気に解決した。小屋裏のスペースが5倍になったと考えても良い。 一般的には、収納スペースは述べ床面積の15%程度が理想と言われるが、わが家は床下と屋根で、 述べ床面積と同じ面積の収納スペースが確保できたと言えなくもない。なんと収納スペース率100%超だ。 高さも足りないし、不便な場所なので実際の利用率は悪いが、それでも充分過ぎる収納力だ。
以前は「捨てろ、捨てろ…」と口癖のように言っていた言葉も、全く出なくなった。 現在は、青色点線の屋根裏を使っているだけで、黄色には全く手をつけていない。 しかも、青色部分は、まだまだ数分の1しか使っていない状態だ。
普段使うものは、クローゼットの中に入れる。 たまに使うけれども、普段要らないものは小屋裏に。あまり使わないけれども、捨てられないものは屋根裏に。 重くて使わないものは床下。これが、仕分けの大雑把なルールになっている。しかし実際の在りかを知っているのは 私なので、妻に「○○はどこ?」と聞かれる。
もし、この空間のことを事前に熟知していたなら、私のドマーニに対する見方も随分と変わっていたと思う。
妻が「パルフェでいいじゃない」と言ったとしても、「いや、絶対にドマーニだ」と主張したかもしれない。
 図2 小屋裏と屋根裏  写真3 収納場所  写真4 天井から出ている釘


 注意!!
ついつい嬉しくて、メリットばかり書いてしまったが、注意点も沢山あるので、以下のことに特に気をつけていただきたい。
まず、ハイムにこの空間を使っていいのかと聞いてみたとする。多分返事はこうだ。
「その空間は、使っていただく目的では作っておりません」
ハイムが居住者に提供する「使っていただく空間」は、危険もなく、快適で、クロスがちゃんと張ってあり、 照明も用意されているものだ。階段下に作られた収納を見れば、その基準がわかる。
これらの条件の全てに、床下も屋根部分も反してる。しかも屋根部分の方がヒドイ。
じゃあ、使ってはいけないのかというと、これらの空間も自分がお金を払って買ったものだ。だから ハイムとしても「使うな」とは言えないと思う。
しかし、その使用に関しては自己責任の下にということになる。 板のない部分に足を乗せれば、間違いなく天井に穴が開く。その場合の修理費は施主が払うことになる。
また、ブリック瓦を固定した釘が天井から突き出ている。これが最も危険だろう。ヘルメットを被った方がいい。 怪我をしてもハイムに文句をいうことは出来ない。治療費の請求や損害賠償など論外だ。
また、荷物の重さも気をつけた方が良い。この天井が抜けるとは思えないが、重たいものを 沢山のせれば、2階の天井が歪んだりクロスに影響が出るかもしれない。 私は比較的軽い物を、分散して置いている。
「乗せても大丈夫なのは、何キロまでの荷物か?」とうような質問をハイムにすべきではないと思う。
また、当HPのポリシーの4番目の項目も是非読んでいただきたい。私も責任が持てない。
これらの注意点に十分留意して下さり、それでもドマーニのこの空間に興味を持って下さるなら、ドマーニに住んでいる者としては 嬉しい。


 hints
荷物の量をなるべく正確に算出してから、収納スペースを検討しよう。
屋外に余裕があれば、物置も有効な方法。
ドマーニの天井裏は、自己責任を十分考慮しよう。


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