契約まで 契約まで
ローコスト住宅

安いほうが・・・

 坪単価20万円台
新聞に〇ンチュリーホームというメーカーのチラシが入っていた。
金ぴかに光るチラシなので印象に残る。価格は50坪で1,200万円程度。
この価格でベタ基礎(スキルビス工法という特殊な工法)・陶器瓦・カーテン付き、それにお風呂もTV装備だったりする。
この頃の家の価格に対する意識は、「安く出来るなら、その方が良いに決まっている」というものだった。 ちょうど電化製品を購入する時に、メーカーや店舗を比較して機能が同程度であれば一番安いものを買うのと全く同じ意識で 住宅を考えていた。
安心とか、アフターメンテナンスなんてことは意識に無かった。今考えれば愚かだと分かるけど、当時は分からなかった。 数年使えればよい電化製品と、一生住む家では全く違う基準で選らばなければならないことは、少し考えれば明白なのに。
新聞広告に入ってくる金ぴかのチラシは、住宅建築を考える前から記憶に残っていたので、一度展示場を訪問してみることにした。
 新聞折込に多いローコスト住宅の広告

 展示場訪問
愛知県岡崎市にある展示場を訪問した。3月の土曜日の午前中に妻と子供2人の家族4人で行った。 ここは総合住宅展示場ではなくて、〇ンチュリーホームのモデルハウスが1棟あるだけの展示場だった。 私の人生で始めて足を踏み入れた住宅展示場だったので、少し緊張した。
他の家族も何組かいた。大手ハウスメーカーの展示場が空いているのと対照的に活気があり混んでいる。 (大手ハウスメーカーの展示場が大抵は誰も居なくて貸切状態なのは後で知ったこと)
この程度の家が本当に1,000万円ちょっとで建つなら、「これで、いいかも…」と納得してしまいそう。 装備も充実している。 営業マンが近付いて来た。
「大手メーカーの半分以下の金額で、同程度の家を建てられます」というのが話の大筋だった。
「何で大手メーカーはそんなに高いの?」と聞くと
「利益を取り過ぎていますし、広告宣伝費や展示場の維持費が高いのです。また不動産取引の失敗の穴埋めを するために、高額な物件を勧めてくるのです」ということ。
なるほど…、営業マンに他のメーカーの悪口を教えてもらうのは面白いな、と分かった。
「うちも数年前に女優の高島礼子さんのTV-CMを放映したことがあるのですが、 ああいう高い広告宣伝費は最近はしていません。もっぱら新聞のチラシなので集客しています」
「私も、そのチラシが印象に残って、こうして来たわけです」と言うと
「品(ひん)が無いと言われることもありますが、目に留まれば良いのです。なるべく多くのお客様に知っていただいて、 一軒当たりの利益は少なくても、多くの家を建てることで会社は存続できます。 大手が一軒の物件から多くの利益を上げているのと逆です」
いいこと言うなぁ。話のスジは通っている。

妻と子供たちがキッチンの説明を受けている間に、私はモデルハウスの外壁をぼんやり眺めながら考えていた。
     こういう感じの家に住むことになるのかな…
     価格も安いし、これなら大して借金しなくても買える…
     でも、何かしっくり来ないなぁ…
     家に関しては、格安一辺倒は寂しいかも
     ああ、自分の家だって感じがしない…
     もっと他の住宅メーカーを見てみよう。
     格安じゃなくて、名の通った大手はどんなのだろう?
     でも、大手の家を買うのに借金するのは嫌だな
     やはり、この程度の格安メーカーで妥協するか…

「2年程じっくりと色んなメーカーとか物件を検討してから、決めたいので」と営業マンに言って展示場を後にした。
このメーカーからは、今でも時々DMが届く。あの金ぴかの目に留まる相変わらずのチラシ。 それ以上のコンタクトは、このメーカーからは無かった。
もし、しつこく追い回されたら、〇ンチュリーホームの家に住むことになっていたかもしれない。
やがて、〇ンチュリーホームを考察するHPを作る。タイトルは「わが家の〇ンチュリーさん」てことに…。
ああ、それは無いな。決してない。〇ンチュリーホームじゃHPを作ろうという気力が湧かないよ。


 hints
ローコスト住宅か大手ハウスメーカーか、選択はあなたの自由だ。
ローコスト住宅なら、ローン負担が軽くなり、そのお金を他に回せる。 ライフサイクルコストを意識しよう。
高価な家に住めば幸せになれる…そんなことはない。


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あれ? この鉛筆…、中学生の時に使っていたやつだ