建築の記録 工事記録
基礎工事

図 _

 配筋
8月初旬に地盤改良工事はあっさりと終わった。続いて基礎が始まると期待したが、お盆休みに突入してしまった。
何ヶ月も突っ走って来たので、何も進展しない日が続くと手持ち無沙汰で、心が貧乏ゆすりをしている。
お盆は例年通り妻の実家で数日を過ごした。あちらには家の建替えをほとんど話していなかったことに気付く。 そんな暇も無かったんだと実感。その後、完成イメージ図などを見せて皆さんにハイムの家を説明する。

現場にはお盆前に、配筋が運び込まれ、ブルーシートで覆われた。 この夏は、台風や大雨があって大変なシーズンだった。
工事の無い現場に立ち寄ると、風にあおられてブルーシートが外れている。
「あらら、大変」と言いながら、ブルーシートを掛け直す。
翌日現場に行くと、またも強風でブルーシートが外れて、配筋が雨に濡れている。 私はまた、丁寧にブルーシートを直す。
配筋に多少の錆があっても、アルカリ性のセメントの中では全く問題無いことは頭では理解している。
それでもブルーシートを直している自分自身に苦笑いをする。「バカだな」と独り言を言う。

お盆も終わって、工事再開。配筋はあっという間に終わった。職人さんが配筋の上を歩いている。
「配筋て、それ自体でも結構丈夫なんだな」と思う。
職人さんが帰った後で、私も真似して配筋の上を歩いてみる。意外にしっかりしていることに驚いた。 家の中央部分は、配筋が重なって組んである。
基礎のことは全く分からないのに、勝手に納得して安心している自分が可笑しい。
 配筋  鋼管杭と配筋



 コンクリート打ち
配筋工事が終わって、二日後にコンクリートを流し込む。コンクリートは地面の部分にまずコンクリートを打ち、 二日おいて立ち上がり部分にコンクリートを入れる。 この作業は見れなかった。
作業の最後に現場に立ち寄ると立ち上がり部分の仕上げをしていた。 かなり水分の多いコンクリートを、味噌汁を注ぐひしゃくのようなもので丁寧に注いで、基礎の高さを調整している。 また、色んな部分を電子装置で計測している。高さや距離はメジャーで測るのではなくて、この電子計測装置で 正確に測れるらしい。 正しい位置で計測すると、電子音で分かる仕組みだった。すごく便利な計測器だと思った。
 地面部分の基礎  電子式計測器  ひしゃく?


職人さんに話しかけてみる。
驚いたことに、同じ町内に住んでいることが分かった。ハイムの仕事だけをしているとのこと。 結構遠くまで行くことや、雨が続くと仕事にならないこと。色々と話す。
私は現場では、出来るだけ職人さんとコミュニケーションを取る様にした。
職人さんには、建ててる家にどんな人間が住むのかを知って、家を作って欲しい。 また、私もどんな性格の職人さんが家を作っているのか知りたい。
 基礎の養生  完成した基礎



 自分で計測
2~3日後にベニヤ板が外されて基礎が姿を現す。
ハイムの基礎はプランのセッションでも書いたが、内側部分には在来工法のような基礎の壁がない。 そしてユニットの端の部分に太い柱が立って、ユニットを支える。 基礎全体がスケートリンクのような広い空間になっていて、所々に柱が立っているイメージだ。
私は、どの程度の誤差で基礎が出来ているのか興味があったので、休みの日にメジャーを持って計測に行った。
基礎の図面には、アンカーボルト間の距離がミリ単位で記されている。 図面に記されている寸法と、実測値を一つ一つ比較していく。
「おお…すげえぇ」と声が出る。驚くことに、1ミリの狂いも無いほどに仕上げられている。
長い距離も短い距離も、どこも正確。図面上のほとんどの寸法を計測してみたが、どこもドンピシャだった。 工場から運ばれてくるユニットが、きっちり積み上げられる姿をイメージできる。
アンカーボルト間の距離に続いて、壁や柱部分の厚さを計測してみる。 こちらは、図面の寸法よりも若干厚めに作られていることが分かる。 図面よりも壁の厚さが薄いと強度に問題がでるが、公差の範囲内で厚い方にぶれているのは結構なことだ。
「う~ん。なるほど…」と独り言を言ってると、何処からともなく、現場監督の西野さんが現れる。 西野さんは、音も無く毎回スッと現れるので、私はいつも驚いてしまう。
「あら、西野さん、こんにちは。今日は工事が無いのに来たんですか」と私。
「Davidさん、こんにちは。基礎の状態を見に来ました」と西野さん。
「基礎って、すごく正確に作られていますね」と私。
「はい。しかもハイムの基礎はとても頑丈です。ワンランク重たい建物が乗っても大丈夫なくらいの強度です。
家の中央部分とユニットが乗る部分はスラブ厚が250ミリで、他でも150ミリです」と彼。
「何だか分かんないけど、随分と自信たっぷりだね」と私。
「はい。基礎はどこにも負けません」と彼。
本体はまだ見ていないのに、何だか満足している私。
 立ち上がり  計測…計測…



 hints
基礎は素人が見ても良く分からない。
万一のトラブルを心配するのであれば、写真を沢山とっておくと良い。 コンクリートを打ってしまってからでは、分からなくなってしまう。
家の下水を外に出す場所が図面通りか確認しよう。


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何か落ちたぞ