プラン検討
プラン検討
ユニット工法の功罪

デジタル感覚・・・

 ユニットを意識する
セキスイハイムとプランの打ち合わせをする時、必ず意識させられるのがユニットの存在。
ユニットとは、キューブ状の鉄骨構造。
簡単に言えば、天井の四角形と床の四角形を4本の柱でつなぐから、 4本+4本+4本=12本の鉄骨を溶接したものになる。
柱と梁から構成された構造はラーメン構造と呼ばれる。 ハイムのモデルルームで西山さんからラーメンという言葉を聞いた時に、妻は冗談でも言っているのかと思ったようだ。
ハイムの家はこのユニットを積み重ねることで作られる。 私の家なら、一階に8つのユニットがあり、二階に7つのユニットがある。
このユニットはとても丈夫なので大きな地震にも耐えられるし、オールタイルの重い外壁を支えることもできる。 ユニットのお陰で据付を一日で終えることができる。このようなメリットはハイムの家を本当に魅力的にしている。
ユニットには大きさの制限がある。トラックに載せて運ぶので、トラックの荷台よりも大きな ユニットは無い(多分)ことになる。 ユニットには縦×横×高さの違いによって幾つもの種類がある。実際の種類数を工場見学の時に聞いたけど忘れてしまった。 でも、有限の種類(せいぜい百種類)なので、極めて突拍子もない形は作れない。
一番分かりやすいのは、一つのユニットで一つの部屋を作った場合だろう。 しかし、こんな部屋同士をつなげても家にはならない。廊下も無いし、トイレは巨大になり、なんとも妙だ。 だから実際の部屋はユニットの大きさに制限されずに作る。壁は柱とは関係なく作れる。 また、ユニットをつなぐことにより一つのユニットよりも大きな広さの部屋も容易に作れる。
それなら間取りはユニット・サイズを全く意識せずに考えれば良いのかというと、そうではない。 ユニットの柱は無くならない。 ユニットの角が四つ集まるところでは、30センチ×30センチ位の柱ができる。 だから柱を上手く隠す方法を考えることになる。これはハイム側で上手に考えてくれるのだが、 どうしても隠し切れない箇所ができる場合もある。
(わが家もこの対応に苦慮した)
また、窓を自由にずらせない場合がある。 例えば5センチだけ設置位置を動かしたくても一気に30センチ動いてしまうような感覚だ。
勿論、ユニットの柱部分には窓は作れない。
このデジタル感覚が初めは馴染めなかったのだが、慣れると、分かりやすい。
だが、木造住宅でサイズを自由に設定できる環境とは、大いに異なる住宅であることを理解する必要がある。
しかし、プランの段階で意識したユニットの存在も、実際に住んでみると思い出すこともなくなってくる。
 わが家のユニット
空飛ぶCUBE


 工場で作る家
営業、インテリアコーディネーター、設計と打ち合わせをしていくうちに、自分は何をしているのかと 考え込むことがあった。
勿論、自分の家のプランを考えているに違いない。それはそうなのだが、軽い違和感を感じた。
その違和感が、自分のしている作業が工場に発注する為に必要な資料作りをしているのだいうことが分かってきた。
セキスイハイムは家の80%を工場で作ってしまうと言われる。
家一軒分がハイムの工場でコンベヤーの上に乗って作られるのは、ほんの数時間だ。 この短時間で家の80%を完成させる為には、不明確な箇所を完全に排除する必要がある。 だから、部材と寸法を正確に工場に指示しなければならない。
一方、在来工法では実際の現場を見て、発注する部材を変えたり、図面の寸法を変えたりということも不可能ではない。
柱が立っただけの状態を見て、窓の大きさや位置を変えることもあるだろう。柱が立った状態で窓枠が届いていなければ、 注文する窓枠を変更すればよいし、窓枠が届いていても交換も可能かもしれない。工務店も柔軟に対応する。
つまり在来工法では時間的な余裕がある。別の言い方をすれば工期が長い。 しかし、ハイムの家は一日で建つ。窓も玄関ドアも階段位置も現場を見た後では変更はできない。 途中経過がないからだ。
まさか工場に行って、自分の家のユニットが作られているコンベヤーを見ながら 「ここを変更して頂戴」なんてできない。
ただ、「普通の家でも詳細な図面を作成するから同じじゃないのなの」と言われれば、そうかもしれないとも思う。
在来工法の家を作った経験がないので正確なところは分からない。
工場で80%が出来るのであれば、現場では残り20%を作ることになる。 どの部分が工場で作られ、どの部分が現場で作られるのか私には分からない。
しかしハイムの方々は、その区別を正確に理解している。 だから、ある部分の位置など完璧にしようと悩んでいると、「その部分は現場を見てから位置の変更を指示してもらってOKです」 なんて言わたりして面食らう。
「100%の図面を作る、ある日に突然80%まで完成する」これが私のハイムの印象。まさにデジタル感覚だ。
決して後戻りできない80%の為に、プラン作りは全神経を集中する必要があると思う。
ただ、実際の検討中は集中力が続かなくなることがある。 その時に「まあいいや、適当に決めちゃえ」とした箇所が、住んだ後に「もう少し考えればよかったなぁ」と後悔している 箇所になった。
でも、こんな私たちにハイムの方々は、親切に説明してくれる。まだ建っていない家を見ているかのごとく 案内してくれる。
その言葉に従って、頭の中に仮想空間のイメージを作り家に入っていく。 玄関を開けて、廊下を横に見ながらリビング階段を上がって行く…それから…
しかし、経験のない者のイメージには限界がある。
「ああ駄目だ、人間が考えることだから間違いもある。完璧は無理だよ」と私が言う。
「一生に一度の大切な買い物ですから、後悔しないように完璧にしましょう」と西山さんが元気付けてくれる。

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鉄は固すぎるよ。その点、木はねぇ…