入居後 入居後
引越し 2005年11月1日

新居での第1日 くたくた・・・

 業者の選定
1993年に名古屋から実家に戻った時には、アリさんマークの引越社を使った。
そして今回の建替えも昔の家から親戚の倉庫への移動は、重たいものだけをアリさんマークの引越社に運んでもらった。
しかし、大部分の荷物は、コツコツと自分達で運んで疲れたことは既に書いた。 もう、あの苦労だけはしたくなかった。多少お金が掛かっても、全ての荷物を業者に運んでもらうことに決めた。 また、新しい家に荷物を運び込む時に、新しい壁や床に傷を付けてはいけないということも業者に任せようと思った理由。 今までの流れから言って、アリさんマークに決まる可能性が高かった。
しかし、数社から見積を取って比較検討しようと思った。私達の要望は少しでも安くというものだ。
安く仕上げる為には、月末でないこと、土日でないこと、日柄を選ばないこと、業者の希望作業日に合わせることだ。 高いときと比べて、2倍は違う。
アパートの仲介のアパマンショップの紹介で、まず「サカイ引越センター」に問い合わせてみた。 早速営業の方が来た。アパートと倉庫を見てもらう。
全長7メートルのトラック(Kタイプ)で2回往復するという条件で、超特価の84,000円。作業員は3人とのことだった。 この価格にはピアノをクレーンで2階に運び込む費用も含まれている。
他の業者から見積を取ったとしても、この価格よりも劇的に安くなる可能性は低いだろうと思った。 そこで、その場でこの業者に決めてしまった。
少し気になったのは、2回の往復で全ての荷物を移動できるかどうかだった。 業者の方が言うには「少し積み残しが出るかもしれないが、その量は少ないだろいう」とのことだった。 2回往復の約束なので、もし荷物が残れば自分達の手で運ぶことになる。安いので、それも仕方ない。 だが、この安くしたいという欲が悲劇を生んだ。
また引越作業の翌日には、アパートを引払うことにした。家賃は日割りで計算してくれるので、こちらも少しでも 安くしたかった。しかし、これも失敗だった。 作業には余裕が必要だったと分かった時には、既に遅かった…
 四ヶ月前と同じ光景  ドマーニとトラック

 引越し当日
引越しの日は、新居での生活が始まる日だ。待ちに待ったハイムでの生活が始まる。
その日は会社から休みを取った。朝から爽やかな秋の一日だった。記念すべき素敵な日になるはずだった…
約束の朝8時に倉庫に行くと、既に引越し業者は到着していた。善良そうな若者が3人いた。「お早うございます」と元気な声。 「夕方までには、終わる予定です」とのこと。それなら、夜にはゆっくり新居で過ごせるはずだ。
予定としては、まず倉庫の荷物を載せられるだけ載せて、一回目の運び込みをする。倉庫に戻って残りの荷物をトラックに 載せると、トラックにはまだ荷物を載せる余裕ができる。アパートに寄って、重くて大きい荷物から順にトラックに 載せる。全部載ってしまえば、言うこと無し。もし残っても自分の車で数度運べば終わるはず。
作業は非常に丁寧だ。家具を毛布で包んで車に乗せる。アリさんマークのダンボールが、サカイのトラックに山積みにされる 光景は不思議だ。
倉庫にあった荷物の半分以上が、トラックに納まった。これなら2回の往復でアパートの荷物も全て運ぶことが 出来そうな気がした。しかし、思った以上に時間が掛かっている。1回目の荷物を載せ終えたのは午前11頃だった。 新居に移動して、養生の作業が始まる。全ての壁と床にプラスチック製ダンボールと布で覆いが被される。 トイレのドアまで、養生されたのでトイレに入るのも一苦労だった。
トラックの荷物を降ろし終えたのは午後2時頃になっていた。何だか遅くない? 1時間の休憩に入る。
午後3時から倉庫で、再びトラックへの積み込みがスタート。やっぱり、遅いよ。だんだんと暗くなって来たもの。 3人の中のリーダーが、別のグループのリーダーに携帯で電話している。会話内容から、助けを要請しているようだ。 倉庫の荷物を全部載せてみると、トラックの荷台は半分くらい空いていた。「これならアパートの荷物も全部積めるかもしれませんね」 とリーダーの人が言う。でも、大幅に遅れているよ。夕方に作業が終わらないことは明らかだった。
倉庫を後にして、アパートに向かう。アパートでは、別の3人が待っていた。彼らは、緊急の助けに駆け付けた人達だ。 全部で6人の作業員が狭いアパートに飛び込む。時間が遅くなってきたので、焦っている。 これだけの大勢で作業すると、さすがに早い。 やがてトラックの荷台が一杯になってきた。
「あれれ…アパートの荷物はかなり残りそうだぞ」と思う。
「済みません、全部の荷物は載りそうもありません」と業者の方が謝りながら、隙間に少しでも荷物を詰め込もうとしている。
残った荷物をみて、めまいがした。予想以上に多くの荷物が残った。業者とは2回往復の約束しかしていないので、残った荷物は 自分で運ばなければならない。乗用車に載るような大きさの物ばかりだが、何回アパートと新居を往復しなければ ならないのか不安になる。
 家の中は養生だらけ  このトラックに2回でも無理だった

 夜、そして夜中
業者がアパートを出発した時には、辺りは暗くなっていた。でも私は業者には構っていられない。明日はアパートの 明け渡しだ。全ての荷物を運び出さなければならない。せっせと乗用車で往復する。業者と施主がパラレルで引越し作業を 行うという異様な光景。
業者が作業を終えたのは夜の9時頃だった。妻から「業者への差し入れに肉まんでも買って来て」とメールが入る。
「こっちはそれどころではないんだ」と大きな怒鳴り声で独り言。感情を抑えながら肉まんを買って、業者に渡してお礼を言う。 でも私のホッペタは、肉まんのように膨れていたことだと思う。見積の時には、営業の人には2回の往復で大体 を運べるはずですと言われたのに…。やっぱり営業の言葉を鵜呑みにしてはいけないと思う。
「全部運べなくて申し訳ございません」と業者は謝っていた。でも6人もの作業員で荷物全体の9割を運んでもらって 84,000円は確かに安いと思う。私は彼らに文句を言うような人間ではない。契約は契約だ。
それから無言で作業を続けること数時間。食事も無し。やっとアパートが片付いたのは、夜中の2時頃だった。
新居が荷物だらけなのも気掛かり。あんなに沢山捨てたはずなのに、まだまだ一杯ある。収納し切れるのかな…。 考えようとするが疲れていて、思考能力はゼロ。
こうして、新居での第1日目は、疲労と憤りと後悔ばかりの一日となった。疲れ果てて、どの部屋で寝たのかも憶えていない。 段ボールの間で倒れ込むように寝てしまったのだろう。
数日後にピアノも運び込まれて、やっと引越しは終わった。

 


 hints
引越しは、是非全ての荷物を業者に運んでもらおう。
魅力的な価格だけれど限定した運搬内容の契約に、安易に飛びつくのはやめよう。
自分達での運搬には、予想以上の時間が掛かる。その時間を有効利用することの方が賢い。


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私のことも忘れず運んで